正義と正義のぶつかり合い

少し騒動が落ち着いたところで思ったこと。後述の番組について多くの人が記事を書いていますが、今回の騒動を見て私はちょっと違うことを考えておりました。

戦争は正義と正義のぶつかり合いとも言われていますが、もっと小さな団体、個人での争いも同じようなときがあります。目指すものは同じだけれど、手段・方法が違う。自分は最も良い方法をとっていて、相手のやり方は絶対に間違っている。最初は小さな個人の「意見」だったものがどんどん大きくなって、同じ言葉なのに刃になって攻撃してしまう。でも自分は正義だからいつの間にか相手を傷つける刃になっていることに気がつけない。それによってまた相手から攻撃が返ってきて自分が傷つく…。Mr.Etoの言う通り、言葉は双刃の剣です。

先日動物を扱ったとある番組が放送されたことで、番組に出演していた人物が行っている事(手段)に賛同する声と批判する声があがり、ネット上でお互いの意見を主張しあう現場を目撃しました。

「これは絶対に間違っている!」という意見に「私も」という賛同の意見が集まりどんどんヒートアップしていきます。ネットは自由に意見を述べることができるツールなので意見を言うことは決して悪いことではありません。

だけれどね…、

「間違っている!」

「間違っているよね!」「ね!」「ね!」

「放送局側も責任があるよね!」

「そーよ!」「そーよ!」

「BPOに連絡した!」

「私も!」「私も!」

「私は放送局に抗議のFAXを送ってやりました!」

「私も!」「私も!」

これは単なる攻撃でしかないと思うのです。

一つの意見、一つの言葉が刃になって相手に突き刺さってます。間違っているものは間違っていると言わなければ世の中は変わらない、戦わなければ!…という結果ですよね。

口喧嘩

ちなみに私は番組内容に反対派の意見に賛成です。賛成も賛成、大賛成。番組内のあのようなやり方は私はしない。けれど「私もそう思いまぁ~す\(^o^)/」と言うだけで自分も攻撃の一端になる気がして何もリアクションできませんでした。

これでもし、番組に出演していた人物が「犬畜生なんざボコボコにして言うこと聞かせて金もらっとけばいいんだ!」という感じの人なら話はもっと簡単だったのですがそうではない。この人にはこの人なりの信念があって「自分のやり方は正義、批判してくる方が敵であり悪。だから戦わなければならない。」と主張しているから当然こちら側の賛同者も多い。

放った攻撃が相手側からさらなる攻撃になって返ってきます。そうしてお互いの悲しみや怒りが増えていくだけで何も変わらない。

SNS上で最初はいかにも礼儀正しく反論したかと思いきや、結局はお互いに自分がいかに正しいかのコメントの応酬。最終的には捨て台詞を吐いて去り、自分のページにこれでもかと相手への批判を投稿してフォロワーから賛同を得て自分の気持ちを落ち着かせる。コメントの応酬を読んでいるとどんどん論点がずれていって「ん?元々何の話だっけ?」と考えるくらい。何が言いたかったのか全くわからない状態なのに怒りで見えなくなっている。

そりゃあね、自分の発信した意見に賛同を得られれば嬉しいですよ(;^ω^) 

「わかってくれた」「こう考えているの私だけじゃないんだ」と嬉しくなるものね。

けれど一歩引いて客観的に眺めてみると、非常に小さな争いだと気づかされます。小さな小さなSNS上の狭ーい世界での争い。

コメントの渦中にいた人はきっとお互いに非常に嫌な思いをしたことと思います。批判された悲しさや怒り、何でわかってくれないんだろうという思いで溢れていました。

先日同業の人達とこの番組の話題になって、「すごい内容だったねー、これは騒ぎになりそうだねー」と言っている人がいました。もうとっくに放送直後から騒動になっているんですけど(A´・ω・)…知らないとこんなもんです。そんな内容の番組が放送されたこと自体知らない人もいました。今回の騒動を見て、批判し合うことの愚かさやこういう場面で私自身がどうしたらいいのかモヤモヤしたのですが、のん気な発言をしている人をみて思いました。

知らない方が幸せだなー、と。

テレビ、ブログ、ネットニュース、SNS等で最新の情報をすばやくキャッチできることは武器にもなりますが、知らない方が心穏やかに暮らせるのではないか…。本人達にとっては一大事でも知らない人にとっては「ふ~ん」で終わり、全くもってストレスフリーなのです。

キリンのイラスト

じゃあネット上でもリアルな世界でも意見を言うことが悪いかと言うとやはりそうではないですね。SNS自体も1つの発信が元で大きな波を起こしたり流行を作ったりして世間に影響を与えることができるツールであることは間違いないです。

では結局どう生きていけばいいのか、ということを考えた末に出た結論は…

他人を落として自分が上がろうとする生き方はしない、ということになりました。

絶対自分が正しい、あれは間違っていると思っても誰かを批判して引きずり降ろそうとするのではなく、自分がこうだと思う道だけを表現する。これは簡単ではなく、影響力が出てくるほど批判されることが増えてくると思います。そんな時にも相手を攻撃するのではなくただ自分の道を突き進む(こういう時、情報を知らない程強みになるのかも)。本当に自分に自信を持っていないとできないことだし、自信を持つと他人を批判する必要がなくなる。

相手(世間)に自分の主張をわからせたい、負かしたい…こう考えているうちは意見は単なる刃にしかならないのだと思います。

…と、やはりこういう意見を言うことも結局は自分の主張を誰かにわからせようとしてのことかもしれないですね。Mr.Eto、難しいです。

おわり

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