ペットショップの前に居るところ。
知らないと怖い(´エ`;)
前々回(ペットショップの犬)に、一定の時期まで子犬が母親や兄弟と一緒にすごす必要があることを書きました。そしてペットショップで売られている犬が、母親、兄弟との時間を奪われていることを紹介しています。
今回は、犬猫がどんな環境で生まれて、どうゆう経路でペットショップにやってくるのかを書きたいと思います(・Д・`)
犬を繁殖する業者をブリーダーといいます。
欧米の一部の国では、動物取扱業を認可制(ライセンス制)になっており、1年毎に更新が義務付けられています。
動物取扱業とは…動物の訓練、販売、展示、保管(ペットホテルとか)を行う業者のこと。日本では登録制。
査察の際に適正飼養がされていない場合は、ライセンスは降りません。
ブリーダーも厳しい試験を受け、厳しい飼育環境、飼育設備の基準を満たした場所で繁殖することが義務付けられています。
しかも日本と大きく異なるのが、ホビーブリーダーと呼ばれている人の割合が多いことです。
ホビーブリーダーとは、本業ではなく副業として犬のブリーディングを行う人の事です。
つまり、趣味ですねΣ(゚ロ、゚;)
普通のサラリーマンが、休日を使ってブリーディングの勉強をし、私財で設備を整えて、資格を取って繁殖を行う訳です。
すごいですよね( ̄□ ̄;)
本当にその犬種が好きで、その犬種の姿かたちや気質などを勉強して、利益をあまり求めずに行っているのです。
それに対して日本のブリーダーは特に試験等もなく、なろうと思えば誰でもなれるのが現状です。
もちろん全てのブリーダーが所謂「悪徳ブリーダー」ではありませんが、人気犬種を適当に集め、狭いケージで心臓が動く程度の餌しかもらえず、何度も繰り返し出産させるような業者がいることは事実です。パピーミル(子犬生産工場)というやつですね。
通常は、生まれた子犬は母犬から母乳をもらい、母犬や子犬同士と振れ合いながら育ちます。
母乳からは大切な抗体が得られ、スキンシップを通して脳の発達や情緒面に良い影響が生まれます。
子犬を母犬から引き離すのは生後8週齢以降が望ましいと言われており、2013年に施行された改正動物愛護法では繁殖業者は生後56日までは犬猫の販売、展示が禁止されました。
ところがどっこい、
施行後3年間は生後45日まで(2016年9月)という緩和措置が置かれ、その後はいつか56日にする、という不可解な決定で止まっています。
7×8=56でないの?(-.-;)
たった10日と言えど、子犬にとっては一生を左右するとても大事な期間。
短すぎず長すぎず、生後8週間を母犬と共に過ごすのが、情緒面でも健康面でも最も良いと言われています。
たった10日、されど10日。
子犬にとって大事な大事な時期であるのと同時に、生体販売業者にとっても、「きゃー!かわいいー!」が得られる大事な時期であります。
小さく幼い方が売れるから。
日本で動物販売業をしている業者にはいくつかの業態があります。
繁殖業者 優良ブリーダー、パピーミル
競り市(ペットオークション)
卸業
生体小売業者
この、最後の生体小売業者がペットショップです。
ペットショップが犬猫を仕入れる必要があるために、競り市(ペットオークション)というものが存在しています。
そして、この競り市があるために、パピーミルが存在できているということになります。
パピーミルの参考写真
オークションの様子。無機質な箱に入れられ、ベルトコンベアの上を流れる…
今の日本の生体小売業者(ペットショップ)は年間2万、3万頭という在庫を抱えて商売をしています。
一刻も早く、子犬を売らなくてはならないというのがビジネスモデルの根幹としてあります。
そして、ペットショップの陰に隠れて、同じく大量に犬猫を消費するオークションやパピーミルでの大量生産現場があるのです。
2015年度の犬猫の販売数は約85万匹。対前年で10万匹増えています。
そしてその3%にあたる2万5千匹が流通過程で死んだことがわかっています。
集計に表れない数を含めるともっともっと多くいるでしょう。
最近は劣悪な環境下の生体小売業者が何件か摘発されているニュースがあります。
その一方、清潔なお店で笑顔の店員さんに売られている子犬たちも、程度の差はあれど同じような流通をたどってきているケースがほとんどです。
ペットショップに来るまでに、犬猫がどのように扱われて、それが犬猫にとってどんな影響があるのか、知っているのと知らないのとでは大きな違いがあります。
ショーケースで清潔にされた犬猫たちの裏側。
今の姿でずっと流れてきた訳ではないのです。
何となくでもいいから、知って、考えてくれると嬉しいです(^-^)
ペットショップで売れ残った犬たちがどうなるのかは…こちら→ペットショップの後には
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