【叱ってもやめない②】今回こそ原因について

前回、叱ってもやめないよくある例を挙げましたが、今日は一つに絞ってお話ししますね(^.^)
ドッグトレーニングは叱るもほめるもタイミングが命ですが、もう一つ重要なポイントがあります。

それは…「一貫性」です。

一貫性とは、その名の通り一貫した態度と基準で接することです。

これが崩れているとどうなるか…

例えば何度ダメと叱ってもテーブルに乗ることをやめないという悩みがあったとします。
こういったお家に出張したとき、犬の様子を見ていると、いつもやっていることなので高確率で私の目の前でもテーブルに乗ります。飼い主さんは台所のシンクに向かって手を動かしながら

主「ダメって言ってるんですけど…やめないんですよねぇ」と言います。

犬はその間テーブルに前足を載せて物色中…。

私「乗ること許してるから乗るんですよ?」

主「いやいや、許してないんです」

私「いやいやいやいや、許してますよね」

主「いやいやいやいやいや…(以下略)」

犬、物色終わってヨッコラショと降りる。

これが一貫性が崩れた状態と、崩れていることに気づいていない状態です。
飼い主さんは許してないと言いながらも、犬がテーブルに乗って一言目から「いやいや」の押し問答(笑)が繰り広げられている間、犬を止めません。だから犬はこの会話中、ずーっとテーブルに乗るという【成功体験】を積んでいます。1秒、2秒…と成功し続けています。もしこれでテーブルの上に食べ物や布切れ等があって持っていかれてしまったら、さらなる強い成功体験となって、テーブルの上に乗るという行動が強化されます。

そうです。許しているつもりがないかもしれませんが、許しているんです。この状況を作っているのは飼い主さんなのです。

なんで私が悪いのよ!犬が止めないからでしょ!許してないってば!…という声が聞こえてくるような気がしますが、この成功体験を日頃から積ませているのは誰ですか?

タイミングの話の時にも出ましたが、犬は長い間の記憶ができません。だから叱るときは現行犯逮捕しか効き目はありません。

なので、テーブルの上に乗ることを禁止する、と決めたその時からテーブルに乗ったその瞬間に「ダメ!」という禁止の言葉と共にテーブルから降ろさなければなりません。たとえそれが台所で何か作業をしていたとしても、手を止めて叱ること&その動作をやめさせることを優先してほしいんですね。

これが「一貫性」を持つということです。

人間の子供だったら、「今、手が離せないから」とか「今日はお誕生日だから特別よ」と言うことで理解ができるかもしれませんが、動物はそうはいきません。こっちの事は知ったこっちゃないんです。目の前の、テーブルに乗ることができた、という体験だけ学習していきます。

1秒、2秒経ったからって諦めないでください。見つけ次第、遠くから走ってでも禁止して降ろすこと。できるだけ短い秒数で止めさせられたと思ってください。

この時、しつこく怒らなくていいですからね。
いつも決めている禁止の言葉(「ダメ」とか)をはっきりと言い、テーブルの上から降ろす、これだけでOKです。
降ろした後にくどくど言っても何も伝わりません。なぜならもう既にテーブルの上に乗る状態は終わっているからです。

とにかくNOWの出来事にアプローチしないと動物には伝わりません。

この一貫性、保ててないケースがなんと多いこと!
自覚がある場合は良いんですよ。わかってて「(許しちゃってるから)言っても止めないのよねぇ」と言っている方は、ご本人が自覚して選んで知るから良いんです。私も自分の愛犬に口では「もぅ~(≖͈́ㅂ≖͈̀ )」といいながら、かわいいから許してる項目もあります。でも絶対やってほしくないことには一貫性を持つことに妥協しません。

問題なのは自覚がないケース!
あれ、ひょっとして…と思った方、これを機に自分の接し方を見直してみましょうね。

そして一貫性が崩れる大きな原因の一つに、複数人で接していること。家族の一人は一貫性を守っていても、誰かが許したりすると、結果的にそれは一貫性が保てていません。ここでもやっぱり、家族間でどうするかきちんと話し合って決めておくことが大事なのです。

ここまでの話から、家族の誰かが一つの対応を「反対してるんです…」というのがいかにドッグトレーニングを難しいものにするかわかりましたね。

そして実は、ここに書いていませんが、叱るときには声の出し方や動作にポイントがあるんです。それはレッスンで私が実際に実演して見せています。百聞は一見に如かず「あ、こんな感じでやればいいんだ!」とすぐわかると思うので、叱っても止めない事にお悩みの方は、ぜひご連絡くださいね。

調布市の女性ドッグトレーナー・出張ドッグトレーニング inucco(いぬっこ)

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